世界陸上競技大会の成功を「観客動員と競技場の雰囲気」で計るならば、
国際陸上競技連盟(IAAF)のピエール・ヴェイス事務総長が大会前に
話していたように、この大阪大会はとんでもない失敗に終わるかもしれない。
人々の大会への興味を失わせているのは、値段の高いチケットに加えて、
深夜に及ぶ競技時刻の不自然な設定だ。うだるような暑さも一因だろう。
大会の公式発表によると、5万人を収容する長居陸上競技場の入場者は、
開会式があった25日夜に2万7000人、大会の目玉である男子100メートルが行われた26日夜は3万5000人、日本の貴重な金メダルが期待された
ハンマー投げの室伏広治が登場した27日夜でも2万4000人と、
不本意なものだった。
しらけムードは開会式の選手パレードでも同様だった。本来ならば、各国の
選手で構成されるはずのパレードだが、開催国の日本を除いて、ほとんどの国の代表団が主に選手の家族や友人、その他の関係者だった。
中には、それにも及ばない国さえあった。フランスの国旗を持って行進したのは、地元大阪のボーイスカウトの少年。その傍らでは別の少年が寂しげにフランスのプラカードを掲げていた。
選手たちに開会式に参加するように頼むというのは、そんなに大変なことなのだろうか?
たとえそれが大会の盛況ぶりを撮影するのが目的だったしても……。
例外だったのは、スイス選手団。6人のスイス代表が「温かい歓迎をありがとう」と日本語で書かれた旗を広げて行進すると、大きな拍手と声援が沸き上がった。
スイスがもたらした盛り上がりは別として、一部の参加者にとってはなんとももの寂しい行進となった。
猛暑に負けじと長居陸上競技場に向かうならば、途中でATMに立ち寄ることをお勧めする。
開・閉会式の最も高額な席で1万7000円、選手が豆粒ほどにしか見えない席でも3500円もするからだ。
注目の男女100メートルが行われたのは、26日午後10時20分。IAAFの要望ではあるが、“ゴールデンタイム”とはかけ離れた競技時刻の設定だった。
空席を埋める対策として、大会実行委員会が子供たちに5万席分の無料チケットを
配布したというが、このような夜遅い時間帯では問題解決には至らないだろう。
同競技場がある大阪市の関淳一市長はチケットを売りさばこうと、あちこちで働きかけているというが、今週後半のチケットは10〜30パーセントしか売れていない。大会前、IAAFのラミーネ・ディアック会長が関市長に手紙で警告した観客動員への懸念が現実のものとなりそうな雲行きだ
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/field/07osaka/news/20070829mog00m040003000c.html